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映画『敵』の一般試写会が開催|吉田大八監督と小澤祐治プロデューサーによる50分間の対談では、製作秘話からキャスティング意図まで本作の魅力がたっぷり語られました!

映画『敵』の一般試写会が開催|吉田大八監督と小澤祐治プロデューサーによる50分間の対談では、製作秘話からキャスティング意図まで本作の魅力がたっぷり語られました!

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映画『敵』の一般試写会が開催|吉田大八監督と小澤祐治プロデューサーによる50分間の対談では、製作秘話からキャスティング意図まで本作の魅力がたっぷり語られました!

ギークピクチュアズ企画・製作 映画『敵』の一般試写会が、12月26日(木)に渋谷ユーロライブで開催されました。
上映後には吉田大八監督と弊社の小澤祐治プロデューサーによるティーチインが行われ、製作秘話からキャスティング意図まで、鑑賞直後のお客様からの数多くの質問に答えられました。

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◾️『敵』を映画化しようと思ったきっかけは?

ー吉田監督
きっかけは、小澤さんからだったかもしれない。
コロナの時に筒井康隆さんの原作を読み返した時、自分が30代の時に読んだ印象とは違っていて、面白いな...と思っていました。
その時、小澤さんから電話がかかってきて「大八さん、映画やりましょうよ」って言うから、そこで『敵』の話をしたら、「面白い、やりましょう」って話になって。

ー小澤プロデューサー
たしか、『敵』以外もいくつかいただいたんですよ。これとこれみたいな感じで。

ー吉田監督
『敵』やりますか!ってなった時、小澤さんが「良いもの作りましょうよ」と言ってくれて。
映画プロデューサーから「お客さんはもちろん入れたいけれど、それよりもまずは良いもの作りましょうよ」という言葉を久々に聞きました。
純粋な言葉だったので、じゃあってことで脚本を書き始めたという経緯です。

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◾️小澤さんは、大八監督と映画やりたいと言い続けてきた中で、何故『敵』だったのでしょうか?

ー小澤ブロデューサー
もともと大八さんと映画をやりたいと思ったのは、初めて一緒にCMを作ったtoto(※)の時だったんですけど...
もちろん、大八さんはCM界ではご高名な方だったので、一緒にやれる!となって嬉しかったんですけど、正直すごくコンテが下手だったんですよ(笑)

ー吉田監督
なんでそんな話するの(笑)絵が下手って話ね。

ー小澤ブロデューサー
ごめんなさい(笑)絵が下手なんですよ。
どうなるんだろう...って思っていたら、すごく良い仕上がりで。
こんなステキなものを作る人と、長いものをやりたいなって思ったのがきっかけで、やりましょうよ!とずっと言い続けていましたね。

ー吉田監督
でもね、"長いのやりましょうよ"と"映画やりましょうよ"の間には、本当は何段階かあると思うんだけど...
それをすっ飛ばして、やりましょう!やりましょう!って言うのが面白いな...と思っていましたね。

ー小澤プロデューサー
今まで受注をして映画やドラマに携わるっていうのはありましたけど...
自分で原作を押さえたり、お金集めてみたいなところまでやったのは、今回が初めてですね。
初めてだから、すごくピュアに「面白いもの作りましょ」って思っているんだと思います。

ー吉田監督
本当に、そうでしたよ。
こうしません?ああしません?って言われないから、逆に僕が不安になってしまって(笑)
でも、振り返ると小澤さんがニコニコしているから、安心して前に進むっていう...そんな感じでした。

(※)toto:日本スポーツ振興センターCM

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◾️台北金馬映画祭や上海国際映画祭にも行かれましたが、現地での反響はどうでした?

ー吉田監督
いや、ものすごかったですよ。
今度の映画祭で一番面白いとか、こういう日本映画が出てきたことに喜びと嬉しさがあると言ってもらえたり。
上海だと1300人規模の劇場が埋まったりしてね、壮観でしたよ。

ー小澤プロデューサー
僕は熱量がすごいなって思って...
空港で大八さんを待っていた時、普通に大八さんを出待ちしているファンの方がいるんですよ(笑)
だからなんか、映画っていうものに対して、すごい熱量があるなって感じましたね。

ー吉田監督
映画の感想とか聞くと、カタコトの日本語で熱心に語ってくれる人もいましたし...
海外からゲストで来ているから、優しくしてくれている部分もあるにせよ、すごく楽しかったです。

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※以下、お客様のご質問より抜粋※

◾️日常がベースとなる物語前半と日常から飛躍した世界観が広がる後半で、主演の長塚さんはどのように演じ分けを行ったのでしょうか?

ー吉田監督
長塚さんとは、出来上がった脚本を間に挟んで長いこと打ち合わせはしました。
ただこの映画は、どこからが夢とか、どこからが現実とか、全部夢とか、全部現実とか...
観る人の自由な解釈を許すタイプの作品なので、ここはどっちのつもりで演じれば良いのか、みたいな話は意外と出なかったですね。
ただ、僕が撮影をした時に気をつけていたのは、夢とか現実とかの描写の力のかけ方としては、基本全部リアルにやるっていうこと。
出演者にはリアルに物事に対して反応して欲しいし、これは夢だから大袈裟にやる、現実だから抑えてやるみたいな意識ではなかったですね。

ー小澤プロデューサー
(吉田監督が)今話していたように、どこからが現実で、どこからが夢でって、一人ひとりのその時の環境や状況で変わってくると思うんですけど...そこが2回目、3回目に観るとまた違ったりして、何回でも観たくなる。何回も観た方が味が出てくる作品ですね。

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◾️カラーではなく、あえて白黒にした理由はなんでしょうか?

ー吉田監督
これは、日本家屋が舞台の映画なんですけれども...
今までの日本映画で、どのように日本家屋が撮影されてきたのか勉強しようと思って、撮影前に古い日本映画を観ていたんです。
そしたら、やっぱり白黒が多いわけじゃないですか。
いつの間にか影響されて...「白黒でこの映画を撮って、悪い理由は何かあったっけ?」という感じになって。
きっと白黒にするって言ったら、「それはちょっと...」と言われるだろうとも思ったんです。
でも小澤さんに言ったら、「え、良いじゃないですか」って(笑)
何も止めないじゃないですか。考えたんですか?(笑)

ー小澤プロデューサー
もちろん、もちろん(笑)考えたって。

ー吉田監督
いや、ニコニコしてるからさ(笑)
良いじゃないですか!ということで、白黒になったんですけど...
僕は、ちょっとしたら白黒であることは忘れちゃうんじゃないかと思っています。
結局、映画の中に入って観てしまえば、あまり白黒もカラーも関係ないっていうか。
むしろ、白黒の場合は、普段自分の生活している環境と明らかに違うわけだから、想像力が普通よりもパワーアップした状態で映画をご覧になっているんじゃないかって思うんです。
ということは、映画の体験として色々なことが強くなるから、悪いことが何にもない。
これからもまた白黒で映画を撮りたいなと思いましたね。

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◾️瀧内さん・河合さん・黒沢さんというバランスの取れた3人の女優のキャスティングについて思う部分はありますか?

ー吉田監督
役に合わせて一人ひとりの役を決めていったのは、いつも通りなんですけど...長塚さんの表情が変わるんですよね。
最初1人で家事をやるシーンを撮っている時は、ほぼセリフもないですし、表情を出すきっかけがあまりないんです。
でも、瀧内さんが初めて撮影に来た時に、長塚さんの表情がものすごく変わったんですよね。
なんか、生気がみなぎるというか。ああ、こんなに顔が変わるんだと。
もちろん、そういう風(昔、気持ちを抱いていた教え子が来るという設定)に脚本にも書いてあるんですけど、本当に表情が変わって。
その後の河合さんとのシーンでも変わって。最後の黒沢さんとのシーンでもまた違って。
(瀧内さん・河合さん・黒沢さんを)キャスティングをした時から、長塚さんのそういう表情を見たい!って思っていたんだなと、改めて気付かされましたね。

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◾️原作も読んだ上で、長塚さんが素晴らしかったのですが、キャスティングの決め手はなんだったのでしょうか?

ー吉田監督
長塚さんって知的じゃないですか。
もちろん、フランスに留学されていたし、フランスの作品が俳優デビューだったりもするので、フランス語ができるっていうのもあるんですけど....それは、出演をお願いした後に気づいたっていう。
むしろ、知的であるということと、その知的な人間特有の恥ずかしさ・情けなさというか...全部含めて、"色っぽいな"と思っていて。
立派な肉体とかではない、長塚さんという存在そのものから出てくる"色っぽさ"というものを前から気になっていて。
原作だと、体型的にももう少し違うような描写が出てくるんですけど、これは絶対長塚さんしかできない役だろうなと思って、早々に長塚さんにお願いしたという経緯です。

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◾️最後に、一言

ー吉田監督
この映画は、1月17日(金)から公開ということで...
今日いち早く観ていただいた皆さんの発信力が必要なので(笑)
素敵なポスタービジュアルだったり、感想とかできるだけ沢山書いてもらえると嬉しいです。

ー小澤プロデューサー
大八さんとやると決めた時から、自分の納得感も含めて、良いものを作ると最初に決めていたので。
こっちのキャストの方が...とか、カラーの方が...とか、そういう思いは全くなく突っ走った感じですね。
結果、東京国際映画祭でも賞をいただいたりして、ありがたいです。

ー吉田監督
そうですね。
できるだけ小澤さんが今のピュアな気持ちでいられるように、本作が成功するように頑張りましょう(笑)

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『敵』は来年2025年1月17日より、テアトル新宿ほか全国公開いたします。ぜひご期待ください。